2)マンションは徐々に劣化する
マンションは頑丈なので、一軒家とは違って雨漏りもないしメンテナンスなど必要ないと思っている人もいるかも知れませんが、そんなことはありません。
マンションも建築後時間の経過とともに、様々な劣化現象が起こります。
マンションの設備の中でも劣化が早いのは、手すりなどの鉄部、外壁(コンクリート)、屋上、給排水設備です。
劣化は地震などの災害を除いては毎日少しずつ進行していきます。
ですから、法定点検や前もって計画された修繕のときだけでなく、日頃から壁や手すりなど傷みやすい部分を観察するようにして、劣化の兆候を見つけ出すことは大切です。
なぜなら、修繕を劣化の初期におこなうことと、劣化がかなり進行してからおこなうことでは、かかる時間と費用に大きな差が出てくるからです。
【鉄部】
マンションの中で最も劣化が早く進むのが、廊下やバルコニーの手すりや外付け非常階段などにある鉄部です。
なぜなら鉄はすぐ錆びるからです。
普通鉄部は錆止めを施して塗装していますが、それでも時間がたつと塗装がはがれてくるので、5年おきくらいに塗り直しなどの修繕をすることは避けられません。
塗装や錆止めが不十分だった場合は、雨水が入り込んですぐに錆びてしまい耐久性も低下するので、もっと早く塗り直しが必要となります。
また、塗装がはがれてくると見た目が悪くなり、マンションの資産価値にも悪影響を与えてしまいます。
外観を維持し整えるという意味からも、鉄部の定期的な塗りなおしは重要なのです。
手すりや非常階段の他に、機械式駐車場やごみ置き場などにも鉄が使用されています。
防火用非常扉なども鉄部と言えますが、これを錆びたままにしておけば、イザという時に使用できなくなる可能性もあるので、定期的な点検が必要です。
【外壁(コンクリート)】
次(⇒コンクリートのひび割れについて)で説明します。
【屋上】
雨の多い日本では、マンションの屋上の防水機能は、建物全体を守るためにも大事です。
屋上は常に雨、風、太陽(紫外線)にさらされており、劣化しやすい条件にあります。
したがって、15年おきぐらいに屋上やバルコニーの防水工事をやり直さなければなりません。
屋上には普段立ち入ることがあまりないので、知らずの内に劣化し雨漏りの原因となっていることもあります。
ですから、月に1度くらいは管理組合で屋根の点検し、表面のコンクリートやモルタルにひびがないかどうかなどを調査し、雨水の通り道や集水口の周囲を掃除するなど、簡単なメンテナンスをおこなうことをすすめます。
【給排水設備】
マンションの給排水は、一軒屋とは違い数10から数100戸の住戸にポンプを使って一斉におこなわれるので、ポンプや給排水管には日常的に大きな負荷がかかっており、しっかりとしたメンテナンスが必要です。
一般的に排水ポンプは5〜10年、給水ポンプは15〜20年で取り替えます(給水ポンプのオーバーホールは5〜8年周期で)。
なお、従来は高架水槽による給水方式が一般的でしたが、美観上の問題や大地震での被害の心配もあり、最近では増圧直結方式(地上に設けた受水槽からポンプで加圧して各戸に送る方式)やポンプ直送方式(水道本管から直接ポンプで加圧して送る方式)が増えています。
給水管は、年月が経つにつれて少しずつ管内に錆がたまっていき(錆玉)、赤水や漏れの原因となります。
そこで、定期的に管内にたまった錆などを削り取り新しく塗膜をつくる更生工事をするか、管そのものを新しいものに交換します。
交換周期は管の材質によって異なりますが、亜鉛メッキ鋼管だと15〜20年、硬質塩ビライニング鋼管(防食継ぎ手使用)だと30年以上使えると言われます。
排水管の場合も材質によって修繕の周期は異なり、硬質塩ビライニング鋼管では25〜30年、トイレ用の鋳鉄管では30〜40年が目安とされています。
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