10)修繕積立金が不足したら
大規模修繕工事には多額の費用がかかります。
この費用は毎月積み立てている修繕積立金から支出されます。
したがって、修繕積立金はコツコツと確実に増やしていかなければなりません。
しかし、分譲時に毎月の修繕積立金をわざわざ低く設定して、マンションを売りやすくしようとする売主も多いです。
そして、引渡し時に修繕積立基金として一時金を徴収したり、修繕積立金を段階的に引き上げる予定にしたり、何年か後に再度修繕積立基金の取り立て予定しているケースなどもあります。
また、最初の大規模修繕(新築から10〜15年)の費用は、それまでに貯めた修繕積立金で足りたけど、2回目以降の大規模修繕で資金が不足することが多いです。
修繕積立金が不足した場合、調達する方法は大きく分けて2つあります。
ひとつは全区分所有者から不足分を一時金として徴収すること、もうひとつは地方自治体や住宅金融支援機構からリフォームローンの融資を受けることです。
一時金の徴収は、金額にもよりますが区分所有者の反発を受けやすく、総会で強行に決議したら(普通決議事項なので、議決権総数の半数以上が出席し、過半数の賛成があれば可決できる)、その後のマンション管理運営や人間関係が上手くいかなくなる可能性が高いので、あまりおすすめはできません。
金利負担が生じても、借り入れを検討するほうが無難です。
いずれにせよ、修繕積立金の不足を短期間で集めるのは簡単ではありません。
また、そのままでいてはいずれ次の大規模修繕のときに再度積立金不足になるのは確実です。
したがって、遅くても一回目の大規模修繕の後には修繕積立金の見直しをおこない、積み増しを決定するなど長期的な対策が求められます。
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