5)総会の決議事項
区分所有法によると、総会の開催に必要な最低限の出席者数(定足数)は特に定められていませんが、マンション標準管理規約では議決権総数の5割以上の参加があれば総会を開催できるとしています。
この場合の議決権数は、総会に出席した組合員の分だけではなく、委任状や議決権行使書を提出した区分所有者の分も含めます。
委任状は、総会に出席できない組合員が第三者(理事長にすることが多い)に議決権行使を委託するものです。
委任を受けた者は、委任者の代理人として代わりに議決をおこないます。
議決権行使書は、総会に出席できない組合員が書面によって議決権を行使するもので、議案ごとに賛成・反対等の意思表示を明記して、理事長に提出します。
なお、総会において議決権総数の5割の参加があれば決議することができるのは、普通決議事項だけです。
普通決議事項は、委任状や議決権行使書を含めた議決権総数の2分の1を超える賛成があれば可決されます。
つまり、全組合員の2分の1の出席者(委任状、議決権行使書提出者を含む)が投票し、その中で2分の1の賛成でいいということは、議決権総数の最低4分の1の賛成があれば可決できるということになります。
主な普通決議事項には以下の内容があります。
@ 収支決算報告と事業報告の承認
A 予算と事業計画の承認
B 理事・監事の選任または解任
C 管理業務の委託契約等の更新や変更
D 管理費等の金額の決定や変更
E 使用細則の制定および変更や廃止
なお、普通決議事項の決議数等については、マンション管理規約によって別段の定めをすることも可能です。
総会の決議事項には、普通決議事項のほかに特別決議事項があります。
特別決議事項とは、マンション管理規約の変更や大規模修繕、共用部分の機能の変更、マンションの建て替え等、区分所有者の権利関係に重大な影響があるという理由で、可決されるには区分所有者および議決権の4分の3以上または5分の4以上の賛成が必要であると、区分所有法により定められている事項のことです。
さらに管理規約改正や大規模修繕により、特定の区分所有者に特別の影響がある場合は、その区分所有者の承認が必要だとされています。
特別決議事項は、区分所有法によって規定された強行規定であるため、普通決議事項と違って管理規約で別段の定めをすることはできません。
特別決議事項は主に次の通りです。
@ マンション管理規約の変更や廃止
A 管理組合法人の設立および解散
B 共用部分の形や機能の変更
C 共用部分の敷地や付属施設の変更
D 義務違反者に対する専有部分の使用禁止および住戸の競売請求
E 義務違反の占有者に対する契約解除と引き渡しの請求
F 建物の価格の2分の1を超える大規模な損失の復旧
G 建て替え決議(5分の4以上の賛成が必要※)
※建て替え決議以外は組合員数および議決権総数の4分の3以上の賛成で可決
なお、総会には管理業務に関する突っ込んだ質問等があることも予想されるので、少なくマンション管理会社の担当者には出席してもらうのがいいでしょう。
また、大規模修繕工事等についての議題がある場合は、建物の診断を依頼した業者や施工業者などにも出席を要請してみましょう。
総会が終了したら、議長(理事長)は議事録を作成し(管理会社に作成してもらう場合が多い)、議長および出席した組合員2名が署名・押印します。
なお、議事録を作成しなかったり虚偽の記載等をすれば、区分所有法により議長(理事長)に20万円以下の過料が科せられますので気をつけましょう。
【カテゴリ内記事一覧】